出張まちづくりin出石
2021.12.04 土曜日
出張まちづくりin出石 ~ 兵庫県建築士会のまちづくり委員会で出石へ。
兵庫県の各地まで出張して、交流を兼ねてその地域のまちづくりを考える「出前まちづくり」
年1回続けられている「出前まちづくり委員会」は今年が記念すべき20回目。
コロナで1年延期しての開催です。
第20回目は第1回を開催した出石にもどり、この20年の軌跡、変遷、問題点などを、地域の建築士会メンバーや街の人達とシンポジュウムや街歩きを通して考え、これからに生かしていく。
1日目は、出石そばを美味しく頂いたあと、出石街歩き。2日目は豊岡街歩き。
出石を訪れるのは何年ぶりだろう? 思い出せないくらい前になる。
その頃には見ることの出来なかった「永楽館」へ。
近畿最古の芝居小屋で、明治34年に開館し、歌舞伎・新派劇・寄席などで栄えていたが、
昭和39年に閉館。
様々な人の力が結集され、20年の復元活動を経て、平成20年に大改修を終え公開されている。
永楽館正面 入り口上部バルコニー部分は役者の顔見世舞台 3階では太鼓が打ち鳴らされた
*現在の入り口は左手奥側
永楽館1階客席 コの字型に取り囲むように2階客席がある
天井近くには、開館当時からの看板が掛けられている。
舞台天井には、大改修のときに残した建設当時の竹が組まれている。
一席お願いをした玄人はだしの噺家さんは地域の陶芸家。地域の人に愛されている。
永楽館見学の後は、ぶらぶら街歩き。風情ある街並みのシンボル-蜃気楼。
今回は入れなかったけれど、蜃気楼から眺めた出石の街並みは視点が変わって気持ちが良いですね。
夕方からシンポジュウムのため「静思堂」へ。
出石の政治家斎藤隆夫氏の遺徳を偲ぶために建てられた「斎藤隆夫記念館」です。
宮脇檀建築研究室の設計の静思堂は、出石の歴史的建築の土壁に多く見られる赤色の外壁、塀と回廊、周辺の民家と同様の瓦屋根が特徴的。
庭には砂と象徴的な1本の松。縁側に座ってぼんやりと眺める景色。
「静かに思いをめぐらせる空間」として「大観静思」の辞句から「静思堂」と名付けたという。
この「静思堂」が、出石の魅力的な街並みをつくっていく、まちづくりのきっかけとなっている。
松は高野山にある「三鈷の松」と同じ三本の葉。
そこには、人々の願いを叶えるという思いも込められたのだろうか?
昼と夕方では風情が変わりる。
訪れたかった空間で過ごせた嬉しい一時。
シンポジュウム「次世代にまちを継承していく」
日本の街並みが美しく育っていくには時間がかかるけれど、
話し合い考え、未来のビジョンをそこに住む人が意識することから始まっていく。