瀬戸内建築への旅
2019.02.15 金曜日
瀬戸内建築見学へ行ってきました。
兵庫県建築士会で見学会を企画しての、27名の日帰りバスツアーです。
淡路島は良く行くのですが、一足遠い四国は随分久しぶりです。
今回行った香川県、おうどんのイメージが強いのですが、建築の見所が多いのです。
見学企画段階で色々調べていると、あちらこちら行ってみたいところが多く、
バススケジュールを組むのに、時間のやりくりがなかなか大変。
考えた末、今回は瀬戸内海に面する建築を中心に3カ所、
香川県立東山魁夷せとうち美術館、香川県立瀬戸内海民族資料館、ジョージ・ナカシマ記念館に。
神戸から片道3時間半かけて、最初に行ったのは
香川県立東山魁夷せとうち美術館 / 谷口吉生設計
東山魁夷の作品は私のとても好きなもの。
日本画、リトグラフ、スケッチなど、引きこまれていくものばかりです。
建築はコンパクトですが、谷口さん曰く集大成のような潔い建物。
視線のコントロールと物語性があり、場所にいきづき、作品と呼応していました。
次ぎに、
香川県立瀬戸内海民族資料館 / 香川県建築課 山本忠司 設計
道順はお遍路さんのような道しるべ
瀬戸内海国立公園を見下ろす山上に位置し、自然地形を活かし、
外壁は建築工事の際に出た石を積み上げるように貼りつけられている。
「海賊の城」のイメージで設計をされた建築は、1973年当時としては珍しく、
中庭を囲むように大小の展示室が敷地の高低差を生かしながら、配置されている。
展示ブースから次のブースへ、内と外を行き来し、自然を取り込みながら回遊する。
48年経った今も、力強さと繊細さを感じさせてくれる。
「雨漏りがどこからなのか解らない」と館長さん。
予算とのにらみ合いで、良い建築を維持するご苦労はどこも同じです。
最後は、ジョージ・ナカシマ記念館に。
建築家から木工家具作家で木工家になったジョージ・ナカシマのもの作りの軌跡を、
館長さんの説明を伺いながら、作品を鑑賞。
2階の展示はオリジナルなので見るだけでしたが、1階にある家具には実際に座ることができました。
本ではよく見ていますが、実際に座ったのは実は初めて。
木の座面はやはり硬いイメージがありますが、背もたれカーブの体を包み込むフィーリングは、
やはり座らないと解らない。
椅子は人に一番近い家具、と言われる意味を深く感じます。
1脚30万円以上から それでも欲しくなる座り心地です。
ランチはセルフうどん。
見学時間はもっと欲しかったのですが、地元感も味わい、充実した見学会でした。