樂吉左衞門館へ
2008.11.07 金曜日
7日は建築士会の見学会で滋賀県守山市にある佐川美術館へ。
今回は設計を担当された竹中工務店 内海慎介氏に講演をして頂き、本館そして新たに増築された樂吉左衞門館について、設計プロセスから作家とコラボレーションして茶室をつくることについてお聴かせ頂いた。
樂吉左衞門氏は、言わずもがな、茶道表千家の千家十職の職家の当代当主。
伝統的な黒楽茶碗だけではなく、ダイナミックでモダンな世界をを創っている。
ご自身の茶碗に見合う空間、表現できる空間ー美術館そして茶室を念願されていたという。
佐川美術館との出会いで実現されたこの樂吉左衞門館
そして茶室は想いとエネルギーの結晶のような空間だった。
「守破離(しゅはり)」をコンセプトに、美術館としては珍しい水庭に埋設された地下展示室と、水庭に浮かぶように建設された茶室の2つで構成。樂家の伝統と斬新な造形美を表現するべく、樂吉左衞門氏自身が設計創案・監修されている。
内海氏は3年の月日を費やし、この建物をつくったプロセスを振り返り、素晴らしい建築をつくる条件として、
おいといなきこと
口出しなきこと
期限なきこと
その言葉が思い出されたと言われていた。
私も表千家でお稽古させて頂いている身。
作家としての視点、建築家としての視点、人ー自然としての視点、宇宙としての視点。
さまざまなことを感じながら、満ち足りた空気を深呼吸。