2023年 年のはじめに

2023.01.11 水曜日

遅々として進まないブログ更新ですが、せめて年のはじめに。

2022年、年のはじめに取り組みたいと思ったこと。
出来たことも出来なかったこともありますが、
出来たことを力に変えて、今年も私なりに風を起こして行きたいと思います。

 

出来たことの一つは、こうべ芸文美術展での「現代壁床」の表現。

 

私自身日本の伝統文化が好きなので、豊かな暮らしのために、
日々の生活にもっと取り入れてもらえないかをよく考えます。

とはいえ、和室のない家が多くなり、まして床の間・座敷がある家は少なくなっています。
大学の授業で室礼について講義をするものの、畳に座ったことのない学生がいるのも現実。

洋室しかない家でも、お正月やお節句などの季節の行事に室礼を変えると、自分の心も心地よく整います。

その一つとして、取り入れやすいのが壁床。

壁床とは、床柱や床框などが無く、床の間に見立てて、壁面の廻り縁の下に掛物釘だけを打った最も簡略的な床の間で、表千家の「反古張席」、裏千家の「今日庵」、武者小路千家の「行舟亭」などがあります。


表千家 反古張席


裏千家 今日庵


武者小路千家 行舟亭

 

「壁を床と見立てる」と考えれば、例えば玄関や廊下、リビングの一角などの壁面を床と見立てることが出来るはず。

観ていただいた人が何かを感じ、日本の伝統文化や風習を日々の暮らしに生かすきっかけになればという思いで、勉強している川柳・書・折形を取り入れ、竹・和紙・水引・弁柄・柿渋などの自然素材の質感を生かし、壁掛形の現代壁床を表現しています。

 

 

現代壁床「飛」
こうべ芸文美術展2022出展作品 原田の森ギャラリーにて開催


竹ひごに紅葉の種をあしらえて 折形の蝶:荒木蓬莱堂 荒木隆弘考案 O Z 尾崎聡子制作

 

「こうべ芸文美術展」に出展されているのは、神戸で活躍されている重鎮のみなさまがほとんど。
敷居が高く緊張したけれど、感度の高いみなさまに観ていただけるまたとない機会。

 

 

年に一度のこうべ芸文美術展。
「今までに無い作品でしたね」と言っていただけたのを励みに、現代壁床シリーズ10年挑戦です。