ハサミのダンス

2007.10.26 金曜日

hair salonに行くときは何故か決まって雨。

雨の日は、せっかくキレイになった髪がすぐに乱れてしまいそうな気がして、少し心配。
一日降り続いた雨がようやく上がり、いつものsalonへ足を運ぶ。

 

180センチ以上ある長身、ダンディなN氏にカットを担当してもらってそろそろ5年です。
それまでは、色々なsalonに行っても、この人にお任せしたいと思うほどお気に入りの人はいなかった。

 

ある時カットしたばかりのスタイルが気に入らず、すぐに別のsalonへ。
そこで出会ったのがN氏です。

 

「今まで決まった担当はいないのですか」
「う~ん、もう一つかしら」

 

自分自身デザインの仕事をしているせいか、あれこれと細かい注文は言わず、デザイナーに任せてしまう。
ある意味これって賭けだけれど、美しさを引き出してくれるのがプロでしょう!!
といった思いがあるのですね。

 

私の髪の毛を見、触り、頭の形を確認する。
そして、理論的に髪の毛の癖や、顔型の特徴を説明すること20~30分。
理屈っぽいな~と少し思いながらも、なるほどそんなふうに見ていくのね、と感心する。

 

彼がするカットはオールドライカット。
髪を洗った後大まかにカットをし、髪を乾かしスタイリングしてからもう一度仕上げのカットをする。

 

 

手にハサミを持ち、カットを始めると私の目は釘付けになる。

 

そのハサミさばきの美しいこと、指先の流れるような動き、リズミカルなハサミの音。
長身の彼は、コマのついたハイチェアに座り、右へ左へ動きながらハサミを動かす。
あまりの美しさに、本当に上手な人はハサミの動きも音も美しいのねと感心。

 

踊るように踊るように、ハサミのダンス。

 

出来上がっていく自分の顔を見るより、指とハサミの動きを見続けていた。
出来上がった私は、それまでとは雰囲気が変わり新しくなっていた。

 

ふふふ、これこそプロね。
私もこんなに美しく踊るように仕事しなくっちゃね。
そう思ったのが昨日のようです。

 

あれから5年。

 

一匹オオカミのような彼は3回店を変え、その度に行くsalonがかわるけれど、
「何があってもハサミ1本あればどこにでも行ける」

 

美しいダンスは、今日も健在。