暮らしに活かす ~ 折形 ~
2021.02.24 水曜日
来年度、「ライフスタイル研究」という新しいカリキュラムを担当することになりました。
建築やインテリアを学ぶ学生だけでなく、デザイン学科全体の学生が対象なので、日本の伝統文化をふまえライフスタイルを様々な角度から切ってみたいと思っています。
生活科学部住居学科出身としては、「暮らしを豊かにする」こと全てが範疇に入ります。
食空間、テーブルコーディネートの勉強の延長線で、ホームパーティの企画デザインを考えてもらおうかな〜 などなど思い巡らすうちに、思いつきました、というか、思い出しました。
荒木蓬莱堂 荒木隆弘さんがおっしゃっていた言葉を。
「以前のように折形が学校で教えられれば、生き残る道になるかもしれない」
荒木隆弘さんには「折形社中」という会で、不定期に教えて頂き、お父様である荒木真喜雄さんの著書「日本の折形集」は私の手元教科書。
箸包やカトラリーケース(扇の包の転用)はホームパーティでも活かせる「暮らしの折形」
そこで、課題は「折形を取り入れたホームパーティの企画デザイン」とすることに。
相手を思って折ること、その文化を知りデザインに生かすことは学生にとって肥やしになる。
「知る」ということは、何よりもの財産だと思う。新しい世界が広がるのだから。
本当は良い和紙で折ってほしいけれど、
練習はお手軽に、コピー用紙と書道半紙で試しに折ってみました。
箸包 祝儀(左) 柳箸包(右)
「包結記(包結図説)」(1764年)掲載の「扇の包」をカトラリーケースに転用。
下段が書道和紙、上段がB4コピー用紙を正方形にカットして折ったもの。
型紙を半紙半分の大きさに拡大。プロの手ではないのでご容赦下さい。
「白いまっさらな紙を前にするとき、「お前は本当に準備が出来ているのか?」と紙に問われているような気がする」
荒木さんと食事をご一緒した時、そう呟かれた。
何かに真剣に取り組む時、どんな仕事であっても、同じだと思う。