時計の針が
どれだけ回ったのだろう
四半世紀の時が過ぎ
時代を経たものたちが主を見送る
トントン トントン
扉を叩く音
開かれた扉の向こうに 光と一緒の影法師
新しい出会い 新しい主 新しい息吹
そしてまた 新しい時計の針が回り始める
28年前当時の新建材に覆われたマンションのインテリアを、設備から全て撤去したスケルトンからのリノベーションである。
低い天井高、煩雑に交錯する梁、複雑な設備配管などをすっきりとまとめて整理し、錯視効果を生かし広がりを感じさせている。
暗く陰気だった玄関は、昼はルメウォールの光壁がぼんやりと白い光を放ち、障子.灯りに包まれたような柔らかい空気を醸し出し、夜には照明が違った雰囲気を演出する。
ちいさな小あがり畳コーナーは、印象的な色とともに空間のアクセントとなっている。
場面に応じて変化する空間構成で、変化を楽しみ暮らす住まいである。
築28年集合住宅
神戸市中央区
延床面積 142.8㎡